2003年度口頭試験情報

2003年度の試験は、受験者数が少なく、情報を公開することに躊躇する方が多かったため、公開がずれ込んでしまいました。

-------------------------技術士二次試験口頭試験報告-------------------------
特に私事ですが技術士二次口頭試験に受験できたことは、非常に良い経験ができたと思いました。
自信がないので合否発表前に口頭試験報告をお送りするのは、少々複雑な心境ではありますが、お正月に心機一転また目標を持ってやっていこうという気持ちがでてきたので、口頭試験の報告をお送りさせて頂きます。

合格していれば資料として使って頂いても良いかと考えています。
#失敗してたら、リベンジ終了後に使ってやって下さい。
帰宅途中の新幹線でテキストエディタで起こしたものですので、改行がないなど大変読みにくいことをお詫び申し上げます。

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面接官三名
A進行役:優しい感じのひとで現場工事長風
B質問多い人:この人も公務員のような感じ
C切り込み担当:研究者・先生風

・面接内容

○○番 ○○です。よろしくお願いします。

A:(にこやかな顔で)あまり緊張しなくていいですよ。
はい。ありがとうございます。

A:では経歴を説明してください。
はい。私は平成8年に大学を卒業し、株式会社 ○○に入社しました。配属は関西支店に所属しております。今8年目になります。これまでの業務は、入社時には、大阪平野部の大深度ボーリングの業務を担当しました。その後、ダムサ
イトのボーリング調査や特に山間地に計画される橋梁基礎の構造物基礎調査を担当してきました。最近では急傾斜地の対策構造物の地盤調査を行い、設計担当者と相談しながら対策工を検討する業務にも携わっております。

A:では経験論文に書いてあることを簡単に説明してください。
(中略)

B:ここの構造物の基礎は結局どうしたのですか?
はい。当初の計画どおり杭基礎で計画しています。

B:地下水流動層や地下水位の上下は何に影響を及ぼすのですか?
あまりに早い地下水の流れは杭を打つ時にコンクリートが流れてしまうことが考えられました。地下水汚染の問題もあります。また地下水の上下は掘削時に掘削底面よりも上位に水位がくることも考えられます。

B:え?杭基礎なんでしょ?
えー、杭基礎の場合でも杭の上部は掘り込んで・・・

B:あーなるほど。杭基礎の上部のフーチングのことね
はい。掘削面よりも上に水位が来ることも考えられました。

A:じゃあ経験論文はひとまず置いておいて経歴の中から、大深度ボーリングについての事例を説明してください。どれくらいの深度ですか?

はい。大深度ボーリングの現場は二回経験しました。
まず、入社したばかりに、神戸で地震計設置のためワイヤライン工法を用いた大深度ボーリングのコア鑑定を行いました。深度は300mです。この現場は沖積層の下位に大阪層群が分布しています。大阪層群のどの層準か同定する必要がありました。鑑定の留意点は鍵層となる火山灰の特定でした。はっきりと見分けがつかなかったので、火山灰らしいものをすべて取り出しました。分析の結果そうでないものもありましたが、大学の先生に観て頂き、フォローして頂いた部分もあります。
二回目の現場は鉄建公団の大深度トンネルの基礎的な調査で100mの調査です。場所は大阪府寝屋川市です。ここでの問題点は大阪層群がゆるやかに東に傾斜していると言われており、大深度のトンネル掘削のための基礎資料として地層の同定が必要でした。こちらも火山灰の検出と花粉分析で地層の同定を行いました。

A:トンネル調査の方は既往の結果と断面図を作成したと思うのですがその結果は調和的だったのですか?
はい。地層がつながらないということはありませんでしたので、調和的であったと評価しています。しかし、既往の文献では、淀川沿いに構造線が走っている可能性が懸念されていました。そのような部分では撓曲帯が存在すると考えられますが、その分布範囲はまだ調査の精度が大きいため、詳細な調査が必要ですと提案しました。

C:じゃあ話を元に戻しましょう。杭の施工に地下水調査が必要かどうか私は理解できない。もう一度説明してください。

えー、杭基礎の施工において0.3m/sを越える流速が存在した場合にコンクリートが打てなくなると聞いたことがあります。

C:だからそういうのは、施工方法を変更するとか基礎形式を検討するってことだろ・・・?
この調査を実施した意味がわからないので・・・(いろいろ5分くらい解説を受ける。)
まだ基礎の設計や工法について理解が不足していると思います。今後、勉強するようにします。
A:経歴書をみると短い期間にダムサイトや急傾斜地といろいろやっているね?じゃあ急傾斜地の現場での印象に残った話をしてもらいましょうか?

はい。急傾斜地の崩壊の危険地に重力式の待ち受け擁壁を建設する予定でした。構造物の支持地盤を決定する目的でボーリング調査を実施したのですが、踏査を実施した時に、背後の斜面に古い崩壊跡があり、またパイピングのあとが確認されました。そのため背後斜面の調査として、ボーリング調査と弾性波探査を提案しました。その結果、風化した土砂状となっている風化岩部が厚く分布することが分かりました。
そのため背後の土塊がくずれた場合、それを抑えるだけの擁壁を作った場合、とても大きくなってしまい麓の家にまで擁壁が位置してしまうことから、風化した部分を切土して安定勾配を確保し、その前面に擁壁を作るという対策を提案しました。

A:どんな地質だったのでしょうか?
地質は砂岩の山であったと思います。しかし同じ砂岩なのですが、斜面に傾斜に比べて風化帯が厚かったという記憶があります。

A:その現場はそのあとどうなりましたか?見ましたか?
はい。完成したと聞いたので見に行きました。雰囲気が全く変わってしまったことから、少し違和感を覚えています。
この対策工が最適だったのかどうか?と考えてしまった部分もあります。

B:大学でやった地質学は今生きていますか?
大深度ボーリングのコアを見る上では、大学の講義レベルですが、火山灰の見極めや堆積構造を観察するのに活用できていると思います。構造物基礎調査などの土木地質の部分になりますと、岩の種類を目視で決めるのには役に立っていると思いますが、これが工学的にどういう問題があるのかという判断が必要ですので、経験を通じて覚えていく必要があります。

B:その岩盤の特性は解るようになりましたか?
まだ、経験が少ないので躊躇していることも良くあります。

A:では技術士として守らなければならないものがあると思いますが、あなたの仕事における言葉で説明して下さい。
三つの義務のことでしょうか?

A:はい
義務としては、信用失墜の禁止、守秘義務、名称の表示の義務があります。
守秘義務は、業務で知り得たことを漏らしてはならないということと考えています。信用失墜の禁止としては、特に私は地質調査に従事していますので、お客様にデータの改ざんなどを要求されることが今後あることも考えられます。設計上都合の悪いデータと言うのは、工学的問題点をそこに秘めているということも、充分考えられますので追加の調査など、問題点を解決する方向に姿勢を向けていきたいと考えております。
名称の表示は、応用理学部門の技術士として、業務を行いますと言うことだと考えます。

A:いままで業務以外で勉強されていることはありますか?
はい。大阪という地の利から、同業他社さんとの技術者とのつき合いも多く、研究会という形で私も参加しております。守秘義務の許す範囲で、お互い調査や設計における問題で悩んでいる経験談を持ち寄り、検討するなどといった形です。

A:技術士のCPDという観点ではどうですか?
はい。見学会や講習会には今後も積極的に参加していきたいと思っています。
また、現場の経験で苦労したことをまとめて、学会などで発表することも考えていきたいと考えています。

A:ではよろしいです。おつかれさまでした。
ありがとうございました。

反省:
経験論文以外に、経験をまとめて話して下さいといった事項が2問もあり、なるべく短く要旨をまとめたつもりでいますが、私はしゃべりすぎたような気がします。
実際面接官の前に座ったときには、もう頭の中が真っ白だったので、質問している面接官の目をしっかり見て、応答することしか頭にありませんでした。

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11/29大阪で口頭試験講習を受講した○○です。その節はお世話になりました。
標記の件、口頭試験状況のメモを送ります。

HPへの掲載の件は、「掲載した人は100%合格なので縁起担ぎに」といわれると、藁にもすがりたい私としては断れませんね。・・それは冗談にしても、自分がそちらのレジメに大変助けられたということもあるので、御恩返しのひとつとして、こんな文章でよろしければ掲載を了承します。後進の人に「失敗状況」みたいなことで参考にしてもらえれば幸いです。
ただ、ICレコーダーから起こしているので、当然再現内容が細密です。そのため、時間や場所や氏名等は文中には書いていませんし、掲載の際もご配慮願います。また、文中に書いていますように、試験中にも注意?された守秘義務違反が気になりますので、文中の現場名等はすでに伏せていますのでご了解ください。
だらだらと書き連ねているので、長ったらしくなっています。そのため、上記のことを含め、不要、ないし問題ありという箇所は、掲載の際は削除してやってください。

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○太田G講習会〜試験日前日
 講習会で「若さのデメリット」を指摘されてボロボロになった私は、その後の1週間、暗いトンネルの中だった。・・って、実際の業務も南アルプス山中の暗い水路トンネルだった。夜、講習のテープを聞く度に胃が痛くなる状況だった。
 南アルプスから帰ってきて、身も心も疲れ切っていた私は、いい加減開き直った。今更経験と知識が補える訳でもないので、「若さのメリット」を前面に押し出して、元気と意欲とやりがいとをとにかくぶつけてやる、と決意したのが前々日。
 そして前日、お守りを買いに行き、カツサンドを食べ、探していたグッズを意地で探し歩いてそれを見つけ・・などなどの縁起担ぎをして、経歴書と論文と太田Gレジメを読み直し、発声練習をひたすらした後、酒を飲んでとっとと寝てしまった。


○試験日朝〜控え室
 朝、太陽が明るく昇ってくるのを見ながら、「私を祝福しているんだ」と勝手に思いこみつつ出発。
 渋谷駅前に着き、体をほぐしたり発声練習(!)をしていたりしたら、駅前の地図を受験票を手に眺めている人を発見。早速図々しく「失礼ですが技術士受験の方ですかあ?」と声をかける。すると、そのS氏は、地質の人で、年齢が同じくらいで、試験時間が全く同じで(・・ということは、太田Gの説によると直接のライバルぢゃない!)、等々のことが判明。話が弾み、大いに緊張がほぐれた。きっと、彼にとっても同じであっただろう・・と信じたい。
 受付をすまし、控え室に入る。まずは部屋の一番前に歩いていって、太田Gで教わったとおり、自信がなさそうで落ちそうな奴をさがしてみる。それから、外へお茶を買いに行って、外から建物を眺めたりした。とにかく、この緊張感を楽しもう、と思った。
 

○直前〜試験室入室まで
 時間間近、どうしても緊張が高まる。もう一度、身につけまくった縁起物シリーズ(お守りや家族の写真等)を確認。
 いよいよ、一人ずつ名前の呼び出しがかかりはじめる。S氏の方が先に呼ばれたので、固い握手をかわし、エールを送る(そんな場合かよ)。
 とにかく、自分の名前が呼ばれたら、大きな声で返事をしようと考えていた。そして、いざ、名前を呼ばれて「はいっ」と大きく答えてみたが妙に上ずった声になってしまった。
 案内の女性につれられて、試験室へ・・ って、控え室と同じ階のすぐ近くぢゃないかよ、エレベーターに乗るって聞いていたのに、心の準備がぁ!・・。思わず、女性がドアを開ける前に呼び止めて、深呼吸させてもらった。「えへ、緊張してるもんで」と言ったら、ほほえみかえしてくれた。ちょっとラッキー、と思いつつ、ドアを開けた。

○試験状況

向かって右から、
試験官A氏:眼光鋭い人。どうも砂防地すべり絡みの人らしかった。直球質問役。
試験官B氏:進行役。温和な感じの人で、終始ほほえみつつ頷きながら聞いていてくれたので助かった。
試験官C氏:見た感じは3枚目風の人。変化球質問役?。

(以下、どもりの表現等は全て省略) (<>内はリアルタイムの心中)

荷物を置いて、挨拶の後、着席。

・B氏:
「最初にですね、今までの職務経歴と、今主にどんなことをやっておられるか、それを簡単に述べてください。」
・私:
「はい。経歴書に書いてますように、今まで小規模な会社を3社経験してきております。残念ながら、大規模な会社ではないもんで、新規とか、大きなプロジェクトの経験が少ないのが私の経歴の欠点とは認識しております。ですが、その分、3社ともに業務分野が異なって多岐に渡っていて、その中でいろいろな業務を経験してきました。またその中で、多様な人々と接することができて勉強させていただいたことで、地質の調査に限らず、土木工学全般に係わる素養を学んでこれたのではないかと信じております。あと、その過程で、いくつかの資格試験にも取り組んでこれたかと思います。
 その中で、特に現在の会社を説明しますと、「地質地盤工学のコンサルタント」をモットーとしておりまして、主にトンネルを中心とした技術コンサルタント業務を行っております。具体的には、主に、国内では既設トンネルの・・ (だらだらと述べているので中略)、それらの業務の、自社業務と要員派遣を行っています。
<あ、だんだん飽きてきている、切られちゃまずい>
 えっー 私は、このような「国内外のインフラ整備と維持管理」という仕事に関われることに強いやりがいを感じておりますで、今後とも、技術を研鑽して、積極的にこれに取り組んでいきたいと考えております。」

・事後コメント:
 最初に何を聞かれても、とにかく「元気と意欲とやりがい」をぶつけることに決めていた。そのため、3社を単に時系列で羅列するのはやめて最後の1社のみに力点を置く回答をつくっていたところ、結果的には正解だった。神様ありがとーっ(その1)。
 一応決めセリフは言えて、大分肩の荷が下りて緊張がほぐれた。本当は海外業務のことも宣伝したかったが、状況みて省略。

・B氏:
「平成7年4月に学校を卒業して実務に入られているんですが、主にトンネル関係が多いんですか?」
・私:
「はい。途中の3社目から、平成10年ころから主にトンネルをやっています。それまでは主に土質関係をやっていました。大学の地質では全然経験しなかった軟弱地盤やその地下水のことについて、自分でボーリングの現場とか土質試験とかもやりながら、自分の足らなかった分野を勉強できたかと思います。

・事後コメント:
 聞かれていないよ、という感じではあるけれど、「がんばり」の上重ねができたので一層緊張がほぐれた。


・B氏:
「○国の海外業務の経験があるようですが、これは現地には滞在されたんですか?」
・私:
「はい。現地に通算で約半年滞在しました。JICAの要員として派遣されて現地調査を担当し、あと国内作業も行いました。」
・B氏:
「その他は・・国内では、最近は水路トンネルが多い、ということですね?」
・私:
「はい。」
「・・あとは、海外へOJTで何度か行っておりまして、経歴書にも書いていますように、自分の会社の社員が行っている○国のトンネル建設施工管理現場に、施工管理補助、兼地質担当技師として2ヶ月ばかり行っていたこともあります。」
・B氏:
「それも、(上記の案件と同じような)JICAの要員としての自然条件調査担当で行ったんですか?」
・私:
「いえ、それとは業務や場所が違っておりました。自然条件担当として行ったのは、○○地方の砂防でして、もう一方のトンネル建設は○○○地方での水力発電所プロジェクトでした。」
・B氏:
「砂防・・というと、△山とか▲山とか、あの辺りの火山砂防ですか?」
・私:
<お、知ってるのか、よっしゃ!>「そうですね、ちょうど▲山の辺りの、ご存じかと思いますが◎川という川の砂防をやりました。かなり長大な川で、火山砂防もあり、ダム開発により周辺の開発も進んで流域の山の伐採が進んでしまい、それらの土砂がダム貯水池に貯まってしまう。土地条件もさることながら、社会環境も難しさも実感してきました。」<聞きながら、うんうんとうなずいているB氏を見て、余計にうれしくなっていた・・・のもつかの間>
・B氏:
「・・まあ、それを聞けば、どこの会社(に派遣されていた)か、わかりますね。」(試験官一同笑い)
・私:
<げ、やば、ばれた>「いえ、あの、要員派遣で行っていたもので・・」<でもこの案件は、自分の名前で行っていたはずなので、大丈夫(経歴詐称ではない)なはずだ・・>

・事後コメント:
 ぺらぺらとしゃべりすぎたことが裏目?に。守秘義務違反に軽率、と思われたかも。


・A氏:
「トンネル変状ということで、経験論文を書かれていますが、これは、主任技術者がおられて、その指導のもとに業務を行った、ということですか?」
・私:
<否定しないとまずいだろうけど、私がその年で主任技術者だったと言い張るのも逆に無理があるだろうし>「はい。私の指導技術士がずっと担当してきたんですが、その下で、実務の中心となって業務を行いました。」
・A氏:
「あまり高い機械を使わずに、トンネル変状を解明した、ということで、その際に変状が「年間1mmの変状」と書かれていますが、その値は果たして‘有意な’変状といえますか?」
・私:
「はい。地表の地すべり対策を議論する上で、通常は年間1mmというのは、有意な数字ではありませんが、なにせ、地すべりの土塊があまりにも規模が大きすぎて、これが仮に全てすべった場合には、下の国道とか河川とか、上流の集落とかに大被害が起きるということが懸念されたので、確かに仰るように、普通ならば地すべり対策を行うほどの厳しい数字ではないですが、その(地すべり土塊の)大きさがクリティカル、ということで、対策が行われた次第です。」
・A氏:
「要するに、対策をしたいと、対策をすることが前提、という認識の上での仕事だった、ということでいいでしょうか?」
・私:
<む、ここも否定しないとまず〜い>「いえ、あの、そうではなくて、地すべり土塊の深度とか規模とかが定性的にわかるのと、トンネルでの変状が定量的にわかるのがほぼ同時進行だったもんで、お互いに知見を持ち寄って、これは大変だ、ということになって、話ががっーと進んでいった次第です。」
・A氏:
「その際、地表での地すべり変位、というのはどれくらいだったんですか?」
・私:
「はい、こちらは残念ながら、測定期間が(対策設計時点まで)2年くらいしかなくて、地表の光波測量とかでは有意な数字が得られませんでした。やはり、年間1mmとかですと、光波だと残念ながら誤差の範囲になってしまったのかなあ、と。もうちょっと長くやれば値が出た可能性は十分あると思います。」
・A氏:
「トンネルが地すべり土塊を通過していたと、それはもともとわかっていたんですか?」
・私:
「(保守管理業務を行う中で)そういう可能性は考えられておりました。ただ、先ほど申し上げたように、それが正しいとするとあまりに大規模な地すべり土塊となり、地すべり幅の約1/5が深度、という常識とあまりにかけ離れていたので、簡単には判定できない、という状況ではありました。そのため、その可能性は想定には入れておりましたが、本決まりにはせず、まずは(トンネル内で)できるだけの補強はしてみよう、ということになった次第です。」
・A氏:
「トンネル掘っている工事のときに、その辺りで湧水が猛烈に出たとかの現象はあったんでしょうか?」
・私:
「申し訳ないですが、その辺の施工記録は見ていないですし、どうも記録がないようなんですが、当時そのような湧水があった可能性は考えられます。」

・事後コメント
 100点満点ではないけれど、ここまでは誘導的質問にもめげずに進んでこれたと思う。

・A氏:
「あと、地すべりの変状機構の解析ということで、いろいろなことをやられているんですが、その中で一番苦労した点はなんですか?」
・私:
<えっ??>「苦労した点ですか?」
・A氏:
「変状機構の解析、という点に限定して」
・私:
<やべえ、余計にわかんなくなってきた。しどろもどろで>「はい。あの・・コロンブスの卵みたいな話になってしまうんですが、内空変位を、普通は横方向、断面方向に測るのを、縦に測ってみたらいいんではないかとか、とか、それも含め、トンネルのXYZ方向の動きをどうやって調べればいいか、その立案が大変だった、ということがあります。」<そんなこと聞きたいんではないだろうなと思いつつ、黙り込むのが怖くて話をつづける>
・A氏:(不満そうに)
「それは、現地計測の際に大変だった、という点ですよね。変状機構、という風に考えたときにどうですか? なんで変状した、どうやって変状した、そういう話はありますかね?」
「たとえば、(地すべり土塊が)うんと幅が狭いのに深い、そういう状況について、どのように考えましたか?」
・私:
<頭が真っ白になりかけつつ>「はい、その辺は・・まずその、あの、地表からボーリングで、完全な地すべり粘土ではないんですが、地すべり面に該当するような破砕ゾーンを確認して、それが、確かにちょうどトンネルの変状箇所のところを通ることは通るんだけれど、さっき申しましたように深すぎるので、本当にこれが‘地すべり’と言えるのか、ということを証明するが難問でした。地すべりの専門の方含めいろいろと協議したんですが、「これおかしいんじゃない、深すぎるんじゃない?」という意見も多く、その辺で説明するのに、かなり苦労した覚えがあります。」
・A氏:(仕方ねえなあ、という感じで)
「うーん、地すべり機構とすれば、幅に対して非常に地すべり深度が深いということは、たとえば、側方のフリクションが全くなくなるような地質構造とか、そういうものはあったんですか?」
・私:
「はい。空中判読しましたところ、滑落崖に平行な方向のリニアメントが周囲にあるようだったので、それのような構造が潜在的にあるのではと解釈しております。」

・事後コメント
 結局納得してもらえる回答にはたどり着けなかった。根本的なところを理解していない、と見られて、致命的かも。
 「地すべりのことは専門家(違う部署)がやったので、細かくはわからない」(私が書いた経験論文は「地すべり変状機構解析」ではなく「トンネル変状機構解析」について)というのが本当のところだが、その甘さを太田G講習会で叱られたのを反省し、地すべりの報告書を読み直して試験に臨んだ。しかし、地すべりのプロに付け焼き刃をあえなく見透かされた。実力が伴っていなかったともいえるし、背伸びしすぎたともいえる。
 今回のような的はずれな答えをするくらいなら、分からないなりの正直な答え方をした方がよかったかもしれない。


・C氏:
「最初のころの経歴で、高速自動車道とかの地下水調査をやっていたと書いていますが、たとえば高速道路で、切土をやったりすると、周囲の地下水に影響を与えるわけですね。そういうときの調査方法とか、いくつか考えられるわけですけれど、ちょっと挙げていただけますか?」
・私:
<お、これは予習してあるぞ、名誉挽回してやる!>「はい。まずは、人文社会的な調査で、周囲で地下水を利用している状況の調査、たとえば、井戸水位とか、水源の湧水量とか、そういうようなもののバックグラウンドをとる意味で、4季節を2シーズン、2年くらい調査できればと思います。また、影響範囲内の沢とか河川とかに堰をつくって流量測定などをやることも必要です。次に、自然科学的というか地質構造の調査としては、ボーリングをして水位観測をして、あとは、電気探査等をして、ボーリングと物理探査の整合をとりつつ、広範囲の地質水理構造を調査するような手法が考えられます。」
・C氏:
「それは観測調査、ということになりますかね。まあ、2年間、というのは結構長いですね」(笑)
「それだけのデータを得ますと、当然、シミュレーションをかけることになる訳ですけど、おやりになったことはありますか?」
・私:
<・・また、的はずれだったかな?>「はい。さわりだけだったんですけれど、まずは高橋彦治さんの方法、流出範囲を図化して想定する方法と、あとは3次元FEMをやって、それのすりあわせみたいなことを当時やりました。」
・C氏:
「FEMで地下水流動解析をやったと。それはかなりしんどいですね」
・私:
「そうですね。2つの方法のどっちがいいのかなあ、とか、当時の指導技術士に教えてもらいながら、苦労しながらやった覚えがあります。」
・C氏:
「その結果については、あなたの予想したものと同じようなものだったとか、そのような知識の積み重ねみたいなものはありますかね?」
・私:
「当時は調査だけだったんですが、あとで役所から聞いた話では、施工を丁寧にやったので、そんなに周りの民家とかの水源に影響がでなかったと聞きました。(我々の解析結果により)危険を予知して対策を行ったおかげで、順調にいった、と聞いて、よかったなあ、と安心した記憶があります。」

・事後コメント
 事前に経歴書を読みながら勉強してあった箇所で、神様ありがとーっ(その2)というところだったが、名誉挽回とばかりにぺらぺらしゃべりすぎたあげく、どうも的が若干ずれていた気配。

・C氏:
「地すべりのことを先程来質問していますけれど、一般的な常識的な問題としてお聞きしますけれど、地すべりの安全率の計算について、どんな方法があって、あなた自身はどの方法がいいと考えているか、教えてもらえますか?」
・私:
<お、これは太田Gのレジメに書いてあったぞ。名誉挽回再チャンス!>「はい。地すべりの安定解析式としては、まずはフェレニウスの簡便法、ほかには、ビショップやモルゲンスターン法等々、あとは、三次元解析などもあります。それぞれの式は、土塊のスライス間の力のバランスをみるかどうか、等に違いがあるように認識しています。私が感じておりますのは、計算の精度をいくらあげても、地すべり面の強度の調査精度が、努力はしていますが、やはり精度に限度があるということで、解析式もそんなに高い精度の式を使ってもしょうがないのではと。現状では簡便式で、実際の状況とすりあわせをしつつ進めるのがベターかと感じています。」
・C氏:(笑いながら)
「なるほどねえ、その見解はどうですかね。」(と、A氏にふる)
・A氏:(仕方ねえ教えてやるよ、という感じで)
「あのね、式自体には精度とかはないんですよ。要するに、モデルの問題、どういうモデルで考えたかっていうことと、物性値の問題、この2つがものすごく大きいんですよ。式自体は単なる力のつりあいだけですから、物性値をどうやって設定するか、それから、計算のモデルをどうするのか、そういうことの方が大事なんですよ。」
「たとえば、先ほどのような、ものすごく厚い、それなのに幅が狭い、こういうのをどうやって計算するか。やっぱり、地質の構造とか非常に重要なわけですよ。地すべりでもトンネルの変状でも何でもそうですけれど、地質構造をどう考えるか、そういうことが、最初にあるべきだと思うわけですよ。」
・私:
<・・やっぱりさっき答えられなかった「地すべり機構」を根に持っているのかなあ?>「・・おっしゃるとおりかと思います」
<何とか名誉挽回しないと、とあせりつつ>「この、幅が狭くて深い地すべりについては、おっしゃられるとおり、2次元モデルだと、縁辺部がえらく過大になってしまうということで、わりとたくさんボーリングをかけて地すべり面の位置(お椀型をイメージして身振り)を立体的に把握して、3次元解析を行ったところ、二次元モデルで試行計算したケースよりは、対策工が、良いめというか、実際に即したというか、そのような結果となりました。」
・A氏:
「軽減されたということですね。」
・私:
<その言葉が出なかった>「はい。そうです。」

・事後コメント
 太田Gのレジメに書いてあった内容そのままで、太田G様&神様ありがとーっ(その3)というところだったが、上っ面だけをしゃべってしまったきらいがあり、却ってお叱り(というか教育的指導)をいただく始末。


・B氏:
「では、最後に。海外で仕事やられたということですが、JICAで仕事をしたということで、その際の技術移転について、あなた自身はどんな風にお考えで、どんなことをやられましたか?」
・私:
<やった、もう少し>「はい。メンバーで交代で講習会を開き、私も講師役を2回ほど勤めました。ただ、感じたのは、技術移転というテーマからずれてしまいますが、それまで見くびっていたところがあるんですが、向こうの技術者は結構技術力が高く、少なくとも私が持っている程度の技術はすでに持っていて、それに加えて、彼らは生きるために語学を必死に身につけていて、私のいまのレベルでは技術移転というのはおこがましいような状況でした。いずれは、私も日本で最新の技術力を身につけ、向こうで彼らに伝えられるところは伝えていきたいと考えています。そのためにも、技術や語学力を高めつつ、APECエンジニアとなり、彼らとやりとりできるようになりたいです。」
・B氏:
「さっき、資格をいくつかお持ち、と仰いましたが、語学の資格はどうですか?」
・私:
「はい。語学の資格としては、TOEICを去年715点をとりまして、Bランク、まあ生活とかするのに支障ないよというのが730点くらいということで、もう一息研鑽の必要があるかなあと思います。」
・B氏:
「会議に参加するとか、さっきのような講習会の講師役をするとか、そのようなレベルについてはどうですか?」
・私:
「はい。まだ一方的にレジメ見ながらしゃべって、あとはゆっくり質問してもらえば私なりに答える、というレベルなので、将来的には、海外での会議とか、学会発表とかができるように研鑽していきたいと考えています。」
・B氏:
「それじゃ、最後に、技術士法の義務と責務について説明してください。」
・私:
「項目だけ説明すればいいですか?」と聞いた後、
「義務は、信用失墜行為の禁止、名称表示の場合の義務、秘密保持義務。責務は、公益確保の責務と、資質向上の責務の5つになっております。」
・B氏:
「よく勉強されてていいんですけれど、資質の向上、ということについて、あなたは日頃、どういうことに取り組んでいますか?」
・私:
<やった、ほめられた>「はい。まずは、私の所属する地盤工学会の学会発表へ、何回か自身で学会発表したりできる限り参加したり、また、指導技術士が所属している、技術士会、応用地質学会等の学会誌を購読し、それらに掲載されている講習会に、特に私は現場経験が少ないで、現場見学会等には極力行くようにしております。あと、これはいけないことではあるんですが、応用理学部会の幹事さんと仕事仲間なのでお願いして、指導技術士の鞄持ちとか代理みたいな格好で部会の講演会とか見学会に出させていただいて、勉強させてもらったっりしています。技術士になったあかつきには、きちんと技術士会に入って恩返しをしたいと考えています。」
・B氏:
「そうですね。それで、今、守秘義務の話が出たんですが、守秘義務に違反した場合、どういう罰則がありますか?」
・私:
「はい。1年以下の懲役、もしくは50万円以下の罰則が、「おれはこいつに秘密のバラされたぞ」という告訴に基づいて調べて科せられます。」
・B氏:
「そうですね。そういう訴えがあれば、そういう罰則を受けると。技術士は権利だけでなく、そのような義務も課せられるということも覚えておいてください。
「それではこれで終了します。」

・事後コメント:
 最後に最後に、って、ずいぶん長く引っ張られて、最後のB氏のセリフも半ば上の空で聞いていたが、今になって落ち着いて考えると、最後のセリフは、私へのエールか? もしくは、ぺらぺら口が軽くて守秘義務違反?を引き起こしたことへの戒めか?。指導技術士に言わせると「両方だろう」という意見。


挨拶をして退室。ここまで約25分

○総括
 終わった直後は爽快な疲労感で「やるだきゃやった」という感じだったが、こうやって書き連ねた後に客観的に見ると、至らないところの方が目立ち、‘技術士’にふさわしいとは言いかねる。特に、地すべり機構を答えられなかったのは、業務の根本を理解していないと思われても仕方ないし、守秘義務違反?のきらいもある。また、質問を確認する質問が出せずに、曖昧なテーマのまま答えようとしているため失敗している。
 でも、あまりあがらずに、実力をある程度発揮できたように感じるので、これで落ちるのなら、純粋に自分の力(経験含め)が足りないせいだ、と思う。

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12月の口頭試験講座ではお世話になり、ありがとうございました。
講座ではそれなりに答えられたのですが、本番は経験、専門ともに突っ込まれ、試験以降は落ち込んでおりました。
大田ジオさんの「100%合格」の実績に泥を塗ることになるかも知れませんが、お許しください。
口頭試験の記録を添付ファイルでお送りしますが、HPへの掲載は合格発表以降(万一合格してれば)にお願いできればと存じます。
2月の発表まで悶々とした日々が続きますが、8月に向けての準備を始めるべく、気持ちを切り替えております。
お忙しいとは存じますが、口頭試験の講評を頂ければ幸いです。

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試験官:A 研究者風(40台半ばくらい?) 進行役、質問役  相当切れ者? 突込みが鋭い
    B 大学教授風(50台半ばくらい?) 途中ほとんど質問しなかったが、最後にいくつかの質問あり

A :午後一番ですね。昨夜は良く眠れましたか?
私 :はい、よく眠れました。
A :それでは始めます。あなたの現在の業務について述べてください。
私 :工事チームリーダーとして施工計画の立案や現場での諸問題の解決に当たってます。
   また近年、RC床版の劣化や少主桁橋へのPC床版の採用など鋼橋メーカーにとって不得意と思われるコンクリート技術についての必要性を感じ、コンクリート主任技士、PC技士の資格を取得して、コンクリート技術についても対応できるようになったと考えております。
A :ほー、コンクリート主任技士ですか? メーカーで持ってる人は少ないのではないですか?
私 :はい、少ないと思います。
    (ちょっと驚いた様子であった。コンクリート主任技士の話をしたのは正解だった)
A :あなたの経歴をお話ください。
私 :昭和60年に大学卒業後、橋梁メーカーである○○株式会社に入社しました。入社後2年半は鋼橋の詳細設計を行いましたが、その後工事部へ配属になりこれまで15年間、施工計画の立案と主に監理技術者として現地工事を担当しました。
A :工事経歴は補修の仕事がほとんどのようですね?
私 :いえ、経歴書にも書きましたがほとんどが新設工事です。
A :受験の動機をお話ください。
私 :3つあります。
入社以来、鋼橋の仕事に携わってまいりましたが、権威ある技術士の受験を契機に自分がこれまでに行ってきた業務の再整理、再構築を行うことで、今後の技術者としての資質向上に役立てたいと考えました。
また、発注者の方と接する機会が多いのですが、特に施工計画の提案などの際には技術士としての信頼を頂いた上で業務を行えることは意義があると考えました。
動機とは若干異なりますが、実は当社は来年3月をもって橋梁事業から撤退することを決めておりまして、私個人はある橋梁メーカーに移籍する話を進めておりますが、そのメーカーが積極的に海外で橋梁建設を進めており、当社では実現できなかったAPECエンジニアとして海外での国際貢献に努めたいと考え、そのためにも技術士の資格を取得したいという気持ちです。
A :経験論文について質問します。
橋梁の拡幅工事をされてますが、既設桁と新設桁の剛度差による床版のひび割れなどについてはどのような対策を行いましたか?
私 :剛度差によるせん断力に対抗するため、既設床版を上筋までウオータージェットでハツり込み、せん断補強筋を入れました。
A :(不満そうに)それだけですか?
私 :剛度差を緩和するためにバッテン構造の剛度の高い対傾構を入れました。(自信の無い答え)
A :(相当不満そうに)ほんとにそれだけで床版が持ちます?
私 :(えー!何を求めてるのかな? 縦桁かなー? 縦桁は元設計通りだけどなー)
   既設桁と新設桁の間に縦桁が入ってそれで2次床版を支えてます。
A :(安心したように)そうだろうなー、それを答えて欲しかったんですよ、それが無ければ床版は持たないですよ。
私 :元設計から入っていてあまり着目してませんでした。(これがポイントとは思えないけど・・)
A :移動足場についてお聞きします。
移動足場はあなたが本当に担当されたのですか?
私 :私はJVの主任技術者だったのですが、JVの監理技術者と一緒に計画しました。設計は主に私が担当しました。(自身なさそうなのが、伝わった感じ)
A :移動足場を計画する上での安全上の注意点は何ですか?
私 :安全上ですか? 移動足場は組立・解体時に事故が起こる可能性がありますので、上構造は床版上から下構造は地面で組み立てて、そのまま吊り上げる構造として安全上の配慮をしました。
A :・・・・・(不満そうな顔)
A :それでは支承取替え工事のアンカーボルト溶接についてお聞きします。
現場で非常にやりづらい溶接を採用してますが、普通は溶接で継ぐようなことは考えないで、増しアンカーを考えるでしょう。これは設計時点からそうなってたのですか?
私 :設計時点からです。タイプAの支承なので耐震性を維持するためにアンカーを生かす必要がありました。通常はアンカーを切断して、ベースプレートを溶接することが多いのですが、それでは高さ管理が困難なため、採用してません。(これって現場の事情だな、設計じゃないなー)
A :50Φのアンカーボルトを全断面で溶接すると、かなりの熱が入りますね。検討しましたか?
私 :・・・・ (頭が真っ白になった)
A :どんな溶接管理をしましたか?
私 :パス間温度のみです。240℃だったと思います。
A :それで溶接の品質が保証できますか?
私 :そこまでは十分に検討してませんでした。
A :入熱制限なんか知ってるの?
私 :材質によりますが、一般にミリあたり10000ジュールです。
A :(反応が無い)
A :アンカーボルトの材質は何ですか?
私 :SSです。
A :S35Cではないんですね。
私 :いいえ、SSです。
A :S35Cのような鋳鋼は溶接できないからねー。
SSにしても溶接性が悪いですね。このやり方が最良の方法というのは疑問ですね?
私 :・・・・・(答えられない) 今後はもっと勉強します。
B :あなたは鋼構造で受験しているのに、どうも既設のテーマばかりを選んでますね。
私 :はい、新設の経験も多いですが、今後は既設構造物の補修も重点的に行いたいと考えてます。

A :それでは専門問題についてお聞きします。
疲労について大切なことは何ですか?
私 :大切なことですか?
えー、製作時の溶接欠陥が疲労に大きな影響を及ぼすので溶接欠陥の出ないような配慮をおこなうこと、それから二次応力が生じるような構造ディーテールを採用しない・・・ことですか?
A :(相当不満そうに)そうですか。
A :あなたは鋼製橋脚の疲労亀裂について書いてますが、(専門問題の答案を読みながら)んー?
ダイヤフラム部?こんなの間違いだなー!  えー、どんなことが問題ですか?
私 :隅角部溶接の疲労亀裂です。
A :その原因は何ですか?
私 :隅角部の溶接の際に、溶接順序が悪かったりして、溶接欠陥等が生じたことが原因です。
A :具体的にどの部分の溶接ですか?
私 :3点の交差部や下フランジとウエブの溶接部です。(身振り手振りで答える)
A :何が悪いのですか?
私 :不溶着部ができることです。
A :それを防止するにはどうするのですか?
私 :(んー?FPか?いや、元々FPと違ったかな?そんな単純なことかなー?)
A :そこが大事なんだよー!(恫喝される)
私 :(あー、わからん!)今後勉強します。
A :あなたは実際に溶接亀裂を見たことがありますか?
私 :はい、あります。
A :それはどんな部分ですか?
私 :ウエブギャップです。
A :(ほんとかー?という眼で見られた感じ)
AがBに質問を促している。
B :(ほとんど書けていない専門問題の解答用紙を見ながら)・・・ 筆記では相当苦労されてますね。やはり現場の方は設計的なことは苦手ですか?
私 :勉強はしましたが、苦手意識はあります。
B :現場の人で技術士を持ってる人は少ないですか?
私 :少ないと思います。ただ、現場の業務は問題解決の繰り返しですから技術士としての能力を持つ人が実際には多いと考えます。我々がその先駆けで取得していきたいです。

A :それでは部下の教育についてお聞きします。
いつもどんなことに心がけて教育をされてますか?
私 :はい、OJTを行ってます。現場での課題を与えて解決させるというやり方です。
古い言葉ですが、3現主義でやってます。現場で現物を見て、現実的な判断をする。これを徹底してます。(おー、やっと決まった! と自信を持って答える)
A :・・・・(それだけ? という不満そうな顔)
  (後で考えると部下の資質向上の面で、もっとアカデミックな事例について具体的に答えるべきだったと思う。例えば道示の勉強会をやるとか)

A :それでは技術者倫理について質問します。
   技術者倫理の問題に直面されたことが今まであるかと思いますが、例えば今アンカーボルトの件などが問題になってますが、そんな時はあなたはどのように対処しますか?
私 :例えば安倍川でもありましたが、どうしてもアンカーの打てない箇所が出た場合には、例えばブラケットの構造を変えてアンカーを別の位置へ打つなどの対応が必要と思います。そのためには客先の方を説得して、工期延期してでも対応するぐらいの意識が必要と考えます。
A :そうだよねー。そんなふうにみんなが対応してくれたらいいんだけどなー。ある橋梁メーカーの問題なんかもあるからねー。
A :最後に技術士の義務と責務について答えてください。
私 :(3義務、2責務について答える)
A :それではこれで終わります。
私 :ありがとうございました。


以上のような散々な結果となりました。「今後勉強します。」とあと2回くらいは言った記憶がありますが
具体的に覚えてません。
筆記の出来が相当悪かったため、質問が厳しくなることは予想してましたが、経験問題の質問に入って以降は「こいつ現場の経験はあっても理論面はダメじゃないか?」という雰囲気が伝わって、窮地に追い込まれたように思います。
ただ、できるだけチャンスを与えてやろうとの配慮があるのではと強く感じました。
答えられなかった質問も後で考えると
・ アンカー入熱は1パス当たりの個々の入熱量が問題であって、今回は通常の半自動なので電流・電圧・溶接速度とパス間温度のみ管理していれば問題ないと答えればよかったと考えます。
・ 鋼製橋脚隅角部の溶接亀裂についても不溶着部を無くすためには FP(フルペネ)と確実な非破壊検査が正解ではなかったかと思います。
いずれにしても試験官は相当詳しい方ですので、自分の経験論文は多くの人に読んでもらって、突っ込まれそうな点を十分つぶしておくことが重要かと思います。

口答試験のやり取りについてテープに取ったわけではなく、あくまで記憶ですので順序や言い回しは多少脚色してますが、大筋は上記の通りです。ご参考になれば幸いです。

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場所:渋谷・フォーラムエイト
試験管:2名

試験官A
Q.今日はどうやってきましたか。
Q.北陸は雪はどうですか。
Q.経験論文を中心にお聞きします。内容の概要をお話ください。
 = 略 =

Q.今回の進め方は工法をまずしぼって、それを現場であてはめていますが、一般には、まず、現場条件を整理して、この現場条件では、この工法、この現場条件では、この工法と選定するのではないですか。結果としては同じかもしれませんが。
A.文字の表現の関係で経験論文では、適用可能な工法を選定して、そのうちウエルとソイルの線引きを設定しています。実際には、周囲に家がないスパンではソイルを使わないなど、まずエリア分けをしております。

Q.今までの業務経験の中で最も心に残る経験は何でしょうか。
A.経験論文に書いた設計について、○○市下水道建設事務所へ出向し、設計から施工に至り、私が作成した図面が、施工計画でどう解釈され、どう終生されて、使用されるのか。これを発注者側現場監督員としての立場ですが、経験することができ、現場あっての設計であるという思いを強くしたことです。これ以来、できる限り、現場見学をするようにしています。

Q.出向はいつですか。
A.平成9年度に実施設計を行って、平成10年度に出向に出ております。

Q.その現場管理業務で、実際に施工においてどうなりましたか。
A.結果として、2点、考えの足りない点が発見されました。
1つは、地下埋設物の輻輳についてです。通常、側溝など1m程度の幅なら、下を通過できると判断して、開削工法とします。今回もそうしました。横に上水道が走っていましたが、φ100程度でこれも下越しできると判断しました。しかし、現場では、この2つは一体ものとして、2つを1つとして評価しないといけないという問題がでました。この2つに間には、幅70〜90cm程度しかなく、この間にどうやって、矢板を入れるのかと現場で聞かれました。そこで相談した結果、取付管のない15m程度のスパンのため、推進(工法)をしました。この経験をもとに、今はこういう場合には気を付けています。
試験官A:なるほど、そうですか。
もう1つは、水みちというものです。実際には水が出ないスパンについてウエルを削除するため、水が出るのかどうか、試掘を業者の方に行ってもらいました。すると運悪くというか、ウエルピッチ50cmにしても水が引き上がらないような水が出た箇所がありました。結果的にここはソイルとしました。旧公図をみると昔、水路であったようでした。また地元で聞いても、そうであったようです。これ以来、旧公図を確認するようにしています。
試験官A:なるほど、そうですか。

試験官B
Q.(選択科目:T−2−3)合流改善の技術開発についてどう考えますか。
A.合流改善に関する技術開発といえば、現在行われているものの代表が、SPIRIT21になります。これについて私が学生の時、ボーイスカウトをしていましたが、その指導を行っていた現北大助教授の○○先生が、第一小委員会の長を務めている関係で大変に関心をもっております。テーマは、夾雑物除去、簡易処理、消毒、計測管理です。10月に4技術が実用化されました。地元○○市において合流式下水道が400ha程度の面積あり、自然吐き口の現地を確認に行きました。現場は狭く、かなりコンパクトな施設でないと入らないという面があり、その観点を取り入れることが必要だと思います。

Q.処理場ではどうですか。
A.一般に3Qの遮集量が望まれます。ただ、○○市で実際にどういう計画になっているのかは、私自身の業務でないため、最終的に分かりません。今後、随時、聞き取りしたいと思います。また、○○市では、雨水増補管の建設を行っており、今後、供用開始の予定ですが、貯留雨水の量をどう管理するかが課題になっています。つまり、ポンプを設置して処理場へ引き上げるのですが、その量をどうコントロールするかです。たくさんひきあげると、処理の量が増え、施設の増設コストがかかる。その一方で、あまり引き上げないと、連続して雨がふると、貯留できなくなる。この点で、どう雨を予測して、貯留量を管理するかのソフトの面もまた必要になっています。ハードだけではコストがかかりすぎる傾向があり、ソフトとハードのバランスが必要と思います。
Q.新たな指標、水環境保全率についてどう思いますか。
A.「東京は最下位」といった新聞報道をみて、びっくりしました。早速、国交省のHPで確認しようとしましたが、新着情報になく、すぐには内容を確認できませんでした。結局、報道資料の箇所にありました。内容をみると、高度処理と合流改善の両者を要素としたもので、この意味では、大都市圏と地方とを同じ線の上で扱う考え方には無理があると思いました。下手すると、下水道は環境保全に役立たない、東京はムダ遣いしているような印象を与えます。しかし、アカウンタビリティの観点では、市民に対して、「合流改善、高度処理は必要なんだなあ」という印象を与える面では非常に有効だと思います。

Q.(必須科目:水道一般U−2)リスクについてどう思いますか。
A.試験当時には、内容をまとめきれずに大変、稚拙な文章となってしまいました。(試験官、笑)。私自身、環境計量士(濃度)でもあるので、もっと勉強が必要だと思いました。試験後、調べ、勉強したところ、リスクには、工学的技術としてのリスクと同時に、社会的リスクがあると分かりました。工学的リスクは、例えば人の健康に関するもので、ジアルジア、クリプトスポリジウムのような原虫、病原細菌のようなもの、また、トリハロメタンの生成、色、臭い。PRTR法?にあるような人為的に合成された化学物質などがあると思います。社会的リスクは、イメージの低下、風評被害などです。平成8年に埼玉県で起こったクリプトスポリジウムの件でも、上流に農業集落排水、下流に上水道取水口があり、問題の原因として集排に注目があたったのですが、処理施設の除去能をその後、調査したところ、大半が除去可能ということで、集排が直接の原因とする観点は必ずしも妥当でないという結果のように思います。しかし、一旦、市民についてしまったイメージを払拭することは大変なことだと思います。これが社会的リスクと思います。ところで、対策にかかるコスト的リスク、つまり財源の問題もあると思います。
対策としては、各事業で、高度処理や強度浄水を行う方法のように各事業がその内部システムとして最適化を行う方法もありますが、河川の直接浄化のような“連携”によって対応する方法もあると思います。実際、コストの面で、連携事業に有利な点も多く、今後、多くの技術的検討課題があるものと思います。

Q.技術士法についてですが、技術士が満たすべき要件について
 三大義務は、名称表示の義務、信用失墜の禁止、・・・・・。(守秘義務をど忘れして、どうしても思い出せず、答えられなかった)。二大責務は、公益確保、資質向上の責務です。
Q.今後、技術士になったら、どういう展望がありますか。
A.第一に、二大責務(公益確保、資質向上)をお題目で終わらせないことが必要と考えています。(試験官A:そうだ)、これを満たすために、具体的には、下水道技術者として河川等の連携が必要なことから、直接浄化や植物体を利用した水浄化などの勉強をしたいです。また、市民として、NPOなどの動きにも参加したいです。事例としては、私の尊敬する技術士に○○さんという20代で技術士になった女性がいます。その方は、○○川という地元河川を昔のような清浄なせせらぎにしたいと、技術士として公共事業に携わると同時に、市民運動を展開しており、NPO的な活動を通じて市民としても行動しております。このようなものを具体的にベンチマークしています。
第二に、APEC相互認証資格であり、国際貢献が望まれますが、具体的にはJICAの派遣専門家として、中国か南米の環境対策を行いたいと考えています。書類はすでに準備してありますが、派遣専門家の先輩から、まず技術士をとってからにせよと指導を受けました。期間1年で、派遣後の生活の保障がないため、会社と家族の理解をとりつけて時期をまって参加したいと思います。語学の勉強も必要になります。
試験官B:そうですか(笑)。