急傾斜地崩壊対策工としてのグリーンベンチ工の利用
(設計:有限会社太田ジオリサーチ、監理技術者 國眼定
施工中写真:垂直パネルとアンカー工・ロックボルト工との組み合わせです。 ベンチ形成:階段状の構造物が出来上がり、その平場には土を入れることによって植樹が容易となります。階段をつけますので散策も可能です。
従来型のロックボルト付き法枠工です。この形式は非常に多く機能上問題はないのですが、維持管理(水路の閉塞等)が困難で、かつ利用不能な土地になってしまうという印象があります。 遠景:コンクリートパネルが露出しています。風致地区でこのコンクリートがどのように見えるかという点が気になっておりました。パネルは2.5m×2.5mです。
景観に関しては模型を作成し視覚テストをしています。この結果背景のコンクリートがたくさん見えていても、前景に樹木があるとほとんど視覚的に気にならないことがわかっていました。上記写真にスカスカの木を疎に貼り付けてみましたが、コンクリートが単なる背景色になってしまうのがわかると思います。
この工法のポイント:
 急傾斜地崩壊対策事業に限りませんが、公共事業では造る際に大きなお金を投資しますが、維持管理に投資されることはほとんどありません。このため、水路が落ち葉で閉塞していたりすることなどは見逃されがちです。また新たな変状が発生しても、崩壊するまで気がつかないということもあります。
 今回の事業では、ビデオや模型を使って事前に住民の方々に工法を理解していただくと同時に、樹木の種類(花が咲くもの、果実が実るもの、いつも緑のもの等々)を地元の方々に選定してもらいました。また各小段に上がるための階段もつけ、防災対策工を「裏庭」として地元の方々が楽しみながら維持管理できるように工夫しています。
 工事費は高価に見えると思いますが、比較した他案(アンカー付き法枠工など)よりも経済性で有利だったので採用しています。
(2004.2.24記)

グリーンベンチ研究会  太田ジオトップページ