| やさしいLPD工法の説明 |
河川堤防用ドレーン工法に
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| L P D工法 (Levees keeping Pipe-Drain) | |||
| 浸透水による堤防の決壊実験 | |||
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| 実験では、崩壊は次の順で発生しました。(1)法尻小崩壊→(2)堤体の円弧滑り破壊→(3)堤体天端の円弧滑りに伴う沈下→(4)河川水が天端沈下部で越流→(5)越流水が堤体を侵食し決壊 | |||
| 本工法のポイントは以下の通りです。 (1)浸潤線を川裏法尻に近づかせないようにするため堤体内から速やかに排水し浸潤線を下げる。 (2)しかしその際に、堤体内の土砂を流失させないようにしなければならない (3)河川堤防は延長が長いので、簡易に施工でき、かつ安価でなければならない。 (4)地震時の過剰間隙水圧消散も同時にできれば、豪雨と地震の二重投資を回避できる。 (5)対策工が、堤体の地盤強度を低下させてはならない。補強効果があればなお良い。 (6)維持管理メンテナンスが容易で、更新も容易であると良い。LCCが小さいとなお良い。 |
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![]() LPD工法(=堤防用PDR工法) |
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【実験結果】 パイプが無い場合には、のり尻まで浸潤線が到達し、のり尻小崩壊を繰り返した後、大きな滑りが発生し、堤防天端が沈下して越流・侵食が始まりました。 パイプがあると、浸潤線の上昇が抑えられ、のり尻が不飽和状態になりましたので、滑りが発生しませんでした。またパイプからは土粒子の混じらない清水が排出されておりましたので地中洗掘も起きていませんでした。 |
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| 数値解析による再現 | |||
![]() パイプの透水係数は、奥行き方向に幅60mmの連続的な層としてK=1×100cm/secで実験結果に整合 (ただし、50cmピッチの配列の場合) |
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| 対策効果の模式図 | |||
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| 対策無し | LPD工法施工時 | ||
| 浸潤線の変化状況 LPD工法有りの場合 | |||
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| 浸潤線の変化状況 無対策の場合 | |||
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| 破堤の実例(2004年新潟水害) | |||
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| (1)浸潤線を川裏法尻に近づかせないようにするため堤体内から速やかに排水し浸潤線を下げる。 | |||
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河川堤防が浸透により破堤し被害を発生することがあり、現在国土交通省により堤防の安全を確保するため、平成14年度から浸透に対する安全性の調査が実施されています。点検は平成21年度までに完了され、その後堤防の安全性が不足している箇所については質的強化(補強対策)が行われる予定です。 破堤のメカニズムの一つに、「浸透による破堤」というものがあります。 対策としては、堤防の裏のりすべり破壊を防止するために、堤体に浸透した水を排水し浸潤面を低下させる工法(ドレーン工法)が効果的だということが知られています(左図の真ん中の工法)。 LPD工法は、法尻を掘削する必要がないため堤防に緩みを発生する恐れが無く、排水パイプを堤体の奥まで差し込むことができるので、より効率的な浸潤線低下が実現できます。 |
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| (2)しかしその際に、堤体内の土砂を流失させないようにしなければならない | |||
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一般の土構造物であれば、排水補強パイプ打込み時に、パイプ周辺の土粒子が締め固められフィルター層を形成しますので、砂の吸い出し等はほとんど発生しません。これは、鉄道盛土などで20年以上使われたものによっても確認されています。 しかし、河川は常時水が存在することを前提にしなければならない特殊な土構造物です。吸い出し防止にはより念入りな工夫が必要です。 本工法では、打込み角度と、パイプの構造を工夫することにより、吸い出しが起こらないようにしています。具体的には、日常的な普通の降雨に対してはまったく排水機能を発揮しません。異常降雨・河川水位時にのみ排水を開始する「安全弁的対策」となっています。地震時に対しても同様です。普段は機能しないことによって様々な要因により発生が想定される目詰まり(土の粒子中でも目詰まりは起こります)や、土構造物内の自然のパイプ形成による緩みを回避しています。 またメンテナンスも大変簡単です。仮に若干量の細粒分が管内に溜まったとしても、高圧水で容易に除去できます。他のフィルター材を用いる工法では、メンテナンス時は更新時と同様の作業・費用がかかる可能性があることを考えると、その優位性が際だちます。 |
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| (3)河川堤防は延長が長いので、簡易に施工でき、かつ安価でなければならない。 | |||
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地球温暖化などに伴い、気候が変わってきています。このため、集中豪雨が多くなり、早急に広範囲に対策を行うことが望まれます。 河川堤防の裏法面の法尻付近は一般に作業性が良いので、施工に際して機械化が行いやすい条件です。このパイプを打設する時間はごく僅かです。クローラー付き打設機を用いることにより、驚くほどの施工時時間の短縮が図れます。これは同時に、単位延長あたりの工事費を非常に低下させることができます。 また高耐食性メッキZAMを用いていますので、打設時にも剥がれず、なおかつ100年の長寿命なのでライフサイクルコストの低減に役立ちます |
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| (4)地震時の過剰間隙水圧消散も同時にできれば、豪雨と地震の二重投資を回避できる。 | |||
![]() 既存提案工法 土木技術2007.7より ![]() 過剰間隙水圧消散工法としての利用も可能 |
河川堤防は、洪水時のみならず地震時にも健全性を保つ必要があります。1995年の兵庫県南部地震で淀川の堤防が大きな被害をうけたことから、平成7年度から堤防の耐震対策が全国的に進められています(”河川堤防の液状化対策技術”谷本ほか、土木技術2007.7)。 対策工の例として、(a)固化工法:セメント混合土による格子状改良体、(b)締め固め工法:サンドコンパクションパイル、(c)鋼材を用いた工法:鋼矢板・鋼管矢板など、が紹介されています。これらは力で抑える確実性の高い工法ですが、高価な工法なので重要河川等には用いられても、全てに用いるのは難しいでしょう。 液状化は過剰間隙水圧の作用で発生するので、原因排除のためには「過剰間隙水圧消散工法」も有効な対策工になります。 宅地の地震時滑動崩落対策にも用いられる「過剰間隙水圧消散工法」にも同じ材料、同じ施工方法を用いることができ経済的です。 |
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| (5)対策工が、堤体の地盤強度を低下させてはならない。補強効果があればなお良い。 | |||
![]() 打込むだけの工法ですので地盤を緩めません |
破堤実験でも顕著に表れた現象ですが、堤体が変形しはじめると、堤体内部のクラック等を通じて地下水が浸透しやすくなり、裏法尻まで浸潤線が伸びるのが容易になります。このため、掘削を伴う対策工の場合、施工に伴う緩みに対する手当が十分でなければなりません。 今回提案している工法は、打撃打込み式なので、既存の盛土に対して、締め固める効果があっても緩めることはありません。また鋼材を挿入するため土の強度が向上しますので、プラスになることはあってもマイナスに作用する懸念がありません。 鋼管パイプは、せん断強度や周面摩擦強度で地盤を補強し、滑り力に対抗します。また計算には乗りにくいですが、打込み時の地盤の締め固め効果ももちろんあります。 |
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| (6)維持管理メンテナンスが容易で、更新も容易であると良い。LCCが小さいとなお良い。 | |||
![]() 高圧水の噴射で容易に洗浄できる |
LPD工法は、打込みによりパイプ周辺の土が自然のフィルター層を形成しますので、人工的なフィルター材を用いません。このため、もともと目詰まりが起きにくい構造です。また仮に目詰まり等が発生した場合でも、パイプ内を高圧水噴射するだけで容易に洗浄できます。 LPD工法に用いる鋼製パイプには、高耐食性メッキ(亜鉛−アルミ−マグネシウムメッキ)が用いられていますので、80〜100年の耐久性があり、ライフサイクルコストは他工法と比較して非常に安くなっています。 更新時には、パイプ間に同様のパイプ打設をするだけですから、堤体を緩めるような土工は発生せず、更新施工が容易です。 |
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| 既存工法との比較表 | |||
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LPD工法と既存工法の比較表(PDF) | ||
| 関 連 工 法 | |||
| 【宅地耐震化促進事業に最適】 恒久排水補強パイプ(PDR工法) ハウスPDR工法 盛土対策の基本は、 (1)丸腰にしないこと (2)逃げ場のない地下水を存在させないこと の2点です。 何の拘束もかかっていない盛土は、自由に変形でき破壊も出来ます。連続体としての構造が壊れたモノは容易に全体の破壊に至ります。拘束すること、すなわち丸腰状態でないようにすることが肝心です。 逃げ場がなかったり、逃げるのに時間がかかる地下水は、地震時に過剰間隙水圧を発生させる原因となります。水圧の逃げ道を作っておけば、過剰間隙水圧が発生することはありません。 |
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![]() 斜面用PDR工法 |
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![]() 宅地用PDR工法 flashムービー |
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| 太田ジオリサーチのホームページ 地盤リスク研究所のホームページ | |||
2007.9.8 (2008.1.29)
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![]() LPD工法の解析・設計には、2D-FLOW(地層科学研究所)が最適です |
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