太田ジオ式ウエット盛土工法

自動車レースで使うスリックタイヤは、接地面積が大きいのでグリップ力が強いが、雨の日には排水不良でスリップしやすい。雨の日は溝がついているレインタイヤで効率的に排水し、凸部のドライ部分の接地抵抗でグリップして走行する
【工法概要】
 従来の盛土は、段切などは行われているが、全面が底面のウエットな部分(地下水流が流れる部分)に接地していたため、強震動が発生した場合、排水が間に合わず全面に過剰間隙水圧が発生する構造となっている。これは、レーシングカーが晴天の日につけるスリックタイヤ(ドライタイヤ)と同じ条件である。盛土底面には常時地下水があるため、これでは強震動時に過剰間隙水圧(液状化)が発生するのが当たり前である。

 太田ジオ式ウエット盛土工法では、盛土底面に縦溝をつけることにより、水の通り道の確保と、ドライな部分の確保を行うことが特徴である。凹部のウエットな箇所は強震動時に摩擦抵抗はあまり期待できない。しかし、凸部のドライな箇所は過剰間隙水圧が作用しないので、土が本来持つ抵抗を発揮できる。これにより液状化を原因とする盛土崩壊を抑制する。
 
【用途】
 宅地等の造成において新設盛土を施工する場合、地山に縦溝を付けておくだけでドライな部分を維持することができ、地震時においても液状化が発生しにくくなる。特別な材料を使うことがないので、安価で有効な地震時盛土対策となる。

【考案者】太田英将@有限会社太田ジオリサーチ
 
<<<これまでの研究成果>>>
【1995年兵庫県南部地震での出来事】
 盛土の滑動力は一般に小さいため、盛土末端に杭基礎の建物があると盛土全体の滑動は抑止されていた。しかし、土塊自体の強度も小さいため、盛土土塊上部には著しい変形が発生し、家屋が破壊された。(右図参照)

 これは「待ち受け型対策」が宅地盛土のような小規模盛土には不向きであることを示している。

特許 地すべり抑止工法;
側部抵抗を有効に利用した地すべり防止工法
【ミッドフリクション工法】
 兵庫県南部地震での谷埋め盛土の被害を調査・解析した結果(釜井先生ら)、その主原因は盛土の横断形状にありました。具体的には、幅/深さ比が10を越えると滑り、越えない場合には滑らないということです。これはドライな周縁部摩擦が滑動の主たる抵抗力となっていることを示唆しており、人工的な周縁部を土塊内部につくることによって土塊の滑動を抑止すると同時に土塊の変形も抑制する工法を提案しました。(2001年土塊の内部抵抗を利用した新しい地すべり対策工法
2005.2.1記載 太田ジオのページ